6月より業務営業課に配属された新人です。
先日、業務のひとつであるマスクのフィットテストに同行し、補助を行ってきました。
フィットテストとは?
溶接作業時に使用しているマスクの面体が顔にフィットしているかどうかを確認するテストです。
マスクを装着し、JIS T 8150:2021で規定された深呼吸や発声、頭を上下左右に動かす等の動作を行いながら、フィッティングテスターを使用して漏れの有無を数値で評価します。
なぜフィットテストが必要なのか?
溶接ヒューム作業時に発生する物質が神経障害等の健康障害を及ぼすことから令和5年4月より、年1回フィットテスト実施が義務つけられました。
マスクと肌との間にすき間があると、有害物質がすき間からマスク内に入り込み健康障害を起こす可能性があります。いくら高性能のマスクを使用していてもフィットしていなければ保護具の意味がありません。そのためマスクの密着性を確認する必要があるのです。
実際のテストの流れ
テストの前にトレーニングタイムを設けています。本テストの前にマスクがフィットした状態かを確認します。マスクのゴムが緩かったり、口ひげが生えているとすき間ができ漏れやすいので調整しながら正しく装着してもらいます。その後、食塩のミストを発生させ、マスクの内側と外側にあるセンサーでミストの粒子を計測して係数を算出します。
この係数を「フィットファクター」といい、係数が高いほどマスクがしっかりとフィットしている状態といえます。
一見、マスクがフィットしているように見えても、フィットファクターの値が低く、漏れが確認されることがあります。その時はマスクのゴムを調整するなどして、フィットした状態になるようにし、再度漏れがないかテストします。
フィットした状態になったら本テストを開始します。
テスト時間は約10分です。
フィットテストの様子について詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.youtube.com/shorts/VC0RT4gzIfM
(実際のフィットテストの様子ダイジェストVer)
指定動作ごとに数値が検出され、平均値が規定より高い場合、合格となります。
不合格の場合はマスクの交換や装着方法を調整して再テストを行います。
今回は定量的フィットテストの標準法を実施しました。
テストで使用するマスクは市販のマスクとは異なり、“返し”がついていて、隙間を作らない工夫がされています。そのような漏れにくい形態のマスクを使用し、フィットしているように見えても実際には漏れが生じていることが数値で明らかになり、フィットテストの必要性がよく理解できました。テスト時の正しい装着方法を普段から実践し、有害物質へのばく露リスクを低減することが重要です。
弊社では今回のようにフィットテストの実績が多数あります。
フィットテストについてご相談がありましたらお気軽にお問い合わせください。